【新唐人2014年7月27日】中国の不動産市場は低迷が続き、経済自体の行方も案じられる中、先日、李克強首相が、「中国の経済問題は、不動産経済の問題である」と内部の談話で述べ、問題解決のための処方を4つ、提案しました。では、それらの処方で不動産市場を救えるのでしょうか?それとも不動産経済は中国経済と共に共倒れするのでしょうか?
大陸メディア「贏商網」は7月21日、李克強首相が専門家を呼んで緊急会議を開いたあと、「李克強首相による中国の不動産に対する4つの処方」という文書を発表したと報道しました。その文書で首相は、「中国経済は基本的に不動産経済であり、中国の経済問題は基本的に不動産経済の問題である」と認めています。
4つの処方とはそれぞれ、「貸付限度額を厳しく制御して、開発業者の資金源を断つ」「開発業者から付加価値税を徴収する」「官僚など購買者層に対して、不動産登記を強制する」「不動産税を徴収する」ことです。
米・サウスカロライナ大学 謝田教授
「この4つの処方ですが、まず1つ目、先頃 貸付が制限されたもののすぐ緩和されました。今、政府は地方政府にインフラ建設で、不動産市場へ投資するよう求めています。政府の政策に期待できませんね」
謝田教授は、中共のやり方は矛盾していると指摘します。資金の投入を抑制している反面、経済発展を維持するため、絶えず資金を投入しています。
資料によると、中国の不動産経済はGDPの6.6~15パーセントを占めており、不動産に関連する業界は60に達します。また、開発業者、土地や個人の住居などを含めて、不動産関連の金融機関からの貸付は、すでに数十兆元に達しています。
中国国家情報センター、経済予測部の祝宝良主任の発表によると、中国の製造業の60パーセントは不動産と関連があり、銀行の貸付や地方政府の融資プラットホーム、信託を含む、すべての融資の60パーセントも不動産と関連しています。もし不動産産業で問題が起きれば、経済全体が打撃を受けるはずです。
今年に入ってから、大陸の不動産市場は冷え込んでいます。2月下旬、浙江省杭州市が引き起こした下落の流れが中国全土を席巻しました。武漢市で4割引の物件が現れたほか、北京では頭金なしの物件も登場しました。
中国国家統計局が7月18日に公表した中国70都市の不動産指数によると、二線都市と三線都市で価格の下落が続いただけでなく、一線都市でも2カ月連続で下落しました。こうした中、多くの地方都市は、物件の購入制限を取り消し、価格や貸付を制限する政策も緩和されました。
しかし、新たに建てられた建物の総数は、去年の同じ時期と比べて、上昇を続けています。5月と6月の増加率はそれぞれ、5.35パーセントと4.05パーセントでした。不動産価格が下落する中、なぜ不動産への投資が続くのでしょうか?
大陸アナリスト 任中道さん
「建てなければ、地方政府は土地を譲渡できないため、収入がなく、借金も返せません。不動産業者は土地がなければ、土地を担保に融資を受けたりできません。だから彼らはこれらの金を回収するために家を建てます。すでに悪循環になっています」
大陸アナリストの任中道さんは、不動産は中国経済で占める割合が大きいので、いったん問題が起こると、金融システムだけでなく、建築材や建築業などの関連産業も影響を受けると述べます。
また、中国の上場企業の財務上の不正を暴いたことで有名になったアメリカ、マディ・ウォーターズ社の創始者、カーソン・ブロック氏は、中国は現在、信用貸付と資産の巨大なバブルに直面していると考えています。大量の貸付が有形非生産資産の投じられており、莫大な不良債権が生じる可能性があるからです。不動産バブルがいったん弾ければ、中国のGDPは最悪で25パーセントも減少し、経済成長率は2パーセントに落ち込むと彼は予測します。
大陸の経済専門家、馬光遠さんは、ブログに「現在、不動産のバブルは深刻で、いったん弾けたら、中国経済の自殺を意味する」と書き込みました。彼は、「中国の不動産投資はGDPの15パーセント以上に達しており、中国経済はすでに不動産経済と化している。不動産で問題が起これば、中国経済は崩壊する」と警告しています。
新唐人テレビがお伝えしました。
http://www.ntdtv.com/xtr/b5/2014/07/25/a1125377.html(中国語)
(翻訳/河合 ナレーター/水田 映像編集/李)